8人のマルクス経済学者の共著を読みました

『現代資本主義とマルクス経済学 経済学は有効性をとりもどせるか』(高田太久吉編著)という本です。

「グローバル化、金融化、新自由主義をキーワードに今次経済恐慌の理論的・実証的分析から現代資本主義の在り様にせまる!」という、20歳代から60歳代までの、8人の著者たちの意気込みが、伝わってきました。

「アベノミクス」とのたたかいに、力を与えてくれる一書です。

本書では、資本主義が、柔軟性と適応性を備えた、進化的な体制だということが指摘されています。

「資本制生産様式は歴史的な変化を繰り返して現在に至っており、その再生産過程は、閉じられた機械的でモデル化可能な過程ではなく、複雑で開かれた、柔軟性と同時に適応性を備えた、進化的な過程である。・・・したがって、いかなる甚大な恐慌もそれ自体として資本主義の終焉をもたらすものではなく、すでに歴史的役割を終えた再生産様式の終焉を意味するに過ぎない」

同時に、その「進化的」な資本主義が、「人類の生存を脅かすほど深刻な行き詰まりを隠しきれない」状態に至っていることが述べられています。

「現代資本主義における民主主義の危機、経済格差あるいは不平等が増幅する社会的分裂と政治・経済危機、多国籍企業の活動と国民経済あるいは経済主権との衝突、新自由主義がもたらした企業内の無法状態と労働疎外、多国籍企業のグローバル化がもたらす新しい帝国主義の問題、・・・地球環境問題の深刻化など」

これに対して、マルクス経済学の課題が提示されます。

「資本主義の後に来るべき社会体制-その名称が何であれ-がどのようなものであるかは、・・・99%の人々の生存権を脅かす現実的な問題を、一つづつ取り除く運動を継続し、積み重ねることによって初めて明らかになってくるであろう。したがって、その表象が多くの人びとの頭脳に形を結ぶのは、99%の人々がそれぞれの問題意識に応じて、いずれかの運動に参加し、目標実現のために他の参加者とさまざまな議論を重ね、運動を前進させるための連帯と合意を形成する努力を積み重ねることによってである。マルクス経済学とその新しい成果は、そうした多くの人々の心を掴むことによって、初めて歴史的役割を果たすことができる」

あわせて、マルクス経済学以外の経済学理論への共感と共同の模索も、表明されています。

「ポストケイジアン、レギュラシオン学派、制度学派、進化経済学、複雑系の経済学など・・・これらの学派に属して資本主義の批判的研究を行っている人たちの多くが、マルクス経済学に敵対的なイデオロギーの持ち主ではなく、むしろマルクスの業績について豊富な知識を持っており、その影響を多かれ少なかれ受けている」

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〇1949年旭川市永山生まれ 
〇正和小、明星中、旭川西高、宇都宮大学卒業  
〇家族 妻、2男(札幌と横浜に在住)、猫4匹(ねず、とら、みけ、ぎん) 
〇趣味 昆虫の観察と研究。ジョギング。
〇写真は、「さようなら原発全道1万人集会」(2012年10月13日。1万2千人が参加)の会場で写したものです

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